PostgreSQLのプレースホルダーの使い方とSQLインジェクション対策

postgresql-placeholder
  • URLをコピーしました!

PostgreSQLを業務システムに導入している開発者にとって、SQLインジェクションは無視できない重大なセキュリティ課題です。
本記事では、SQLインジェクションを防ぐための方法として広く使われているプレースホルダーの正しい使い方を解説します。

特に、$の後の数字は連番でないといけないのか?という疑問に答えながら、プレースホルダーに関するルールや間違えやすいポイントを丁寧に紹介します。

目次

プレースホルダーとは

プレースホルダーとは、SQL文の中に値を直接書かずに、あとから変数として渡すための仕組みです。
これにより、外部から渡された入力値がそのまま実行されてしまうリスク、つまりSQLインジェクションの脅威を回避することができます。

PostgreSQLにおいては、次のような形式でプレースホルダーを使用します。

この$1$2がプレースホルダーです。

プレースホルダーの基本ルール

PostgreSQLのプレースホルダーには、以下のような厳密なルールがあります。

必ず連番であること

プレースホルダーは、$1から始まり、使用するごとに$2, $3…と連続した番号でなければなりません。

正しい例

間違った例

このように番号を飛ばすと、文法エラーになります。

位置と値が一致している必要がある

クエリに使われているプレースホルダーの順番と、実際に渡す値の順番は完全に一致していなければなりません。

例:クエリとバインド値の対応

このとき、1234が$1、‘関東地方’が$2に割り当てられます。

実装例(シェルスクリプトや独自アプリケーションからの接続)

例えば、プログラムの中からプレースホルダーを使用して安全なクエリを実行する場合は以下のようになります。

実装例(PostgreSQLクライアントの使用)

この例では、$1$2にそれぞれ値をバインドして実行しています。

--setの使用方法はツールやラッパーの仕様によって異なる場合があるため、実際の環境に合わせて調整してください。

命名型のプレースホルダーは使えるのか?

PostgreSQLの純粋なSQL構文では、命名されたプレースホルダー(例::顧客ID)は使用できません。
そのため、$1, $2, $3といった位置指定方式のみが許容されます。
ただし、命名型パラメータを使いたい場合は、外部のライブラリなどを用いることで、より読みやすく柔軟な記述が可能です。

命名型プレースホルダーを使いたいときの選択肢

  • SQLビルダーを利用する
  • 接続ライブラリ(例:pg-promiseやDjango ORMなど)を利用する

例(pg-promiseを使った場合)

このように、位置ではなく名前で値を渡すことで、クエリの可読性が大幅に向上します。

よくある間違いと注意点

間違い内容解説
$1$3のように間を飛ばして使うエラーの原因になります。連番を守ること。
値の順番を間違えてバインドする意図しない結果になる可能性があるため、順番に注意。
$の後に名前をつけようとする(例:$顧客IDPostgreSQLでは数値のみが認識されます。命名型は使えません。

まとめ

安全で信頼性の高いシステム構築のためには、基本的なルールを正しく理解し、確実に実装することが欠かせません。
PostgreSQLを利用する際には、今回紹介したようなプレースホルダーの仕様と使い方をしっかり押さえておきましょう。

  • SQLインジェクションを防ぐには、プレースホルダーの利用が効果的です。
  • PostgreSQLのプレースホルダーは、$1から始まる連番でなければなりません。
  • 命名型の指定はできないため、連番と値の順序を正しく対応させることが重要です。
  • 命名指定をしたい場合は、専用のライブラリツールを使うことで実現できます。

今後も、システムエンジニアとして間違いにくく、再利用しやすい実装方法を模索しながら、安全なコード設計を心がけていきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次