Apacheをリバースプロキシとして使用したEC2上のAPIサーバーから、ブラウザからのリクエストが「CORSエラー」により失敗する問題が発生します。
この問題は、特に次のようなエラーメッセージが表示される場合に発生します。
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Access to XMLHttpRequest at 'https://example-api.com/endpoint' from origin 'https://example-client.com' has been blocked by CORS policy: Response to preflight request doesn't pass access control check: No 'Access-Control-Allow-Origin' header is present on the requested resource. |
この記事は、この問題を解決するための詳細なガイドとコードサンプルを提供します。
CORS問題の原因
CORSは、ブラウザとサーバー間の安全性を高めるための要求です。ドメインが異なるリソースのAPIを呼び出す場合、サーバー側が「どのオリジンを許可するか」を明示する必要があります。
この要求が満たされない場合に、ブラウザ側でCORSエラーが発生します。
この問題はたいてい次の三つの原因に分類されます。
- インフラを経由した調整不備のApacheプロキシ設定
- APIサーバー側の不適切なCORSヘッダーの定義
- セキュリティグループやネットワーク制御の問題
Apacheの設定例
次に、Apacheのリバースプロキシ設定を見直す手順を説明します。
Apacheの設定に「Header」モジュールを追加
Apacheのコンフィグファイルまたはバーチャルホスト設定に、次のようなヘッダーを追加します。
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<IfModule mod_headers.c> Header set Access-Control-Allow-Origin "https://example-client.com" Header set Access-Control-Allow-Methods "GET, POST, OPTIONS" Header set Access-Control-Allow-Headers "Authorization, Content-Type" </IfModule> <IfModule mod_proxy.c> ProxyPass "/api/" "http://localhost:8080/api/" ProxyPassReverse "/api/" "http://localhost:8080/api/" </IfModule> |
OPTIONSメソッドの充実化
ApacheがPreflightリクエストのOPTIONS
を適切に処理できるよう設定します。
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<Directory "/var/www/html/api"> <Limit OPTIONS> Require all granted </Limit> </Directory> |
Apacheの内部デバッグ
Apacheのログで、リクエストがサーバーに届いているかを確認します。
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sudo tail -f /var/log/httpd/access_log sudo tail -f /var/log/httpd/error_log |
APIサーバー側のCORS設定例
APIサーバーがNode.jsなどで構築されている場合、開発ライブラリでのCORS定義を確認します。
以下はExpressの例です。
ExpressでのCORS設定
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const express = require('express'); const cors = require('cors'); const app = express(); const corsOptions = { origin: 'https://example-client.com', methods: ['GET', 'POST', 'OPTIONS'], allowedHeaders: ['Authorization', 'Content-Type'], }; app.use(cors(corsOptions)); |
その他のチェックポイント
上記の設定を行ったにもかかわらず問題が解決しない場合、以下のチェックを行ってください。
AWS EC2インスタンスに設定されたセキュリティグループが、必要なポート(通常は80または443)を許可していることを確認してください。
AWS VPCのネットワークACLが、適切に構成されていることを確認します。
Apache以外の中間プロキシ(例: ALB, NGINX)が存在する場合、それらがCORSヘッダーを上書きしていないか確認します。
CORSエラーはブラウザのキャッシュが影響することがあります。設定変更後にキャッシュをクリアして再テストしてください。
まとめ
CORSエラーは、特に複数のコンポーネントが絡むシステムでは見過ごされがちな問題です。
本記事では、ApacheやAPIサーバー、AWSのセキュリティ設定を含む包括的な解決手順を提供しました。
問題解決に役立つことを願っています。
これで問題が解決しない場合、サーバーログやネットワークモニタリングツールを使用してさらなる調査を行い、原因を特定してください。
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