Node.jsを使用して、リクエストから接続元のIPアドレスを取得する方法は、ウェブアプリケーションやネットワーク関連のプロジェクトで非常に重要です。
この記事では、Node.jsを用いた2つの異なる方法を詳しく説明し、それぞれの方法について変数へのIPアドレスの代入するソースコードのサンプルを提供します。
IPアドレスを取得する2つの方法
Express.jsを使用した方法
Express.jsはNode.jsのWebアプリケーションフレームワークであり、リクエストからIPアドレスを取得するのが非常に簡単です。
以下はその手順です。
Express.jsをプロジェクトに追加します。
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const express = require('express'); const app = express(); |
Expressのミドルウェアを使用してIPアドレスを取得します。
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app.use((req, res, next) => { const clientIP = req.ip; // IPアドレスを取得 console.log('接続元IPアドレス: ' + clientIP); next(); }); // ここにアプリケーションのルーティングを追加 |
この方法では、req.ip
を使用してIPアドレスを取得し、に代入することができます。
HTTPモジュールを使用した方法
HTTPモジュールを使用する方法は、Express.jsを使用する場合と比べると手順が多少煩雑ですが、Node.jsの基本的なHTTPサーバーとしても役立ちます。
HTTPモジュールをインポートします。
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const http = require('http'); |
HTTPサーバーを作成し、リクエストハンドラーを追加します。
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const server = http.createServer((req, res) => { const clientIP = req.connection.remoteAddress; // IPアドレスを取得 console.log('接続元IPアドレス: ' + clientIP); // ここにレスポンスの処理を追加 }); // サーバーを指定のポートでリッスン const port = 3000; server.listen(port, () => { console.log(`サーバーがポート${port}で実行中`); }); |
この方法では、req.connection.remoteAddress
を使用してIPアドレスを取得し、変数に代入します。
リバースプロキシを使用している場合
リバースプロキシを使用している場合、req.ip
やreq.connection.remoteAddress
を使用すると、ローカルIPアドレスではなく正確な接続元のIPアドレスを取得することが難しくなります。
そのため、x-forwarded-for
ヘッダーを使用することが推奨されます。
以下は、上記のソースコードに関する詳しい説明です。
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// リバースプロキシを使用した場合に正確な接続元IPアドレスを取得する関数 var getIP = function (req) { // リクエストヘッダーからx-forwarded-forヘッダーをチェックします。 if (req.headers['x-forwarded-for']) { return req.headers['x-forwarded-for']; } // 以下、x-forwarded-forヘッダーが存在しない場合、接続情報からIPアドレスを取得します。 if (req.connection && req.connection.remoteAddress) { return req.connection.remoteAddress; } if (req.connection.socket && req.connection.socket.remoteAddress) { return req.connection.socket.remoteAddress; } if (req.socket && req.socket.remoteAddress) { return req.socket.remoteAddress; } // 上記の条件に該当しない場合、デフォルトで'0.0.0.0'を返します。 return '0.0.0.0'; }; |
解説
リバースプロキシがx-forwarded-for
ヘッダーを提供している場合、それを使用してクライアントのIPアドレスを取得します。
x-forwarded-for
ヘッダーが存在しない場合、req.connection.remoteAddress
、req.connection.socket.remoteAddress
、およびreq.socket.remoteAddress
を順番にチェックし、最初に見つかったIPアドレスを返します。これらは接続情報から取得されます。
上記の条件すべてに該当しない場合、デフォルトで0.0.0.0
を返します。
この関数を使用することで、リバースプロキシを介して正確な接続元のIPアドレスを取得できます。
この情報を元に、リクエストの解析やセキュリティ対策などを行うことができます。
おまけ
関数の中身はただのif
文なので、return
を1つにしてもっと簡潔にまとめてみました!
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return req.headers['x-forwarded-for'] || (req.connection && req.connection.remoteAddress) || (req.connection.socket && req.connection.socket.remoteAddress) || (req.socket && req.socket.remoteAddress) || '0.0.0.0'; |
まとめ
Node.jsを使用してリクエストから接続元のIPアドレスを取得する方法について2つのアプローチを紹介しました。Express.jsを使用する場合とHTTPモジュールを使用する場合は、プロジェクトの要件や好みに応じて、どちらの方法を選択するかを検討してください。
また、リバースプロキシを使用していて、接続元のIPアドレスが正確に取得できない場合の対処方法も紹介しました。
結論としては、Express.jsやHTTPモジュールを使うより、x-forwarded-for
ヘッダーをから取得した方が万能な気がします。
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